全国各地でアートイベント、展覧会、個展が毎日のように行われていますが、
皆さんは行かれたことありますか?
行ったとしたら、どんな基準でそのイベントを選びましたか?
現代アートを見るよりは、ゴッホや印象派、有名アーティストを見に行くとしたら、
これはちょっともったいない!
では、現代アートをどう見れば良いのでしょうか、今日はこんなお話です。
突然ですが、お金の話。
アート関連のイベントは大小問わず、かなりのお金がかかります。
入場無料のイベントは多くありますが、どこからか、誰からかお金を払って運営がされている。
まあ、当然ですけどね。
個展は大体がアーティストの自腹です。
ギャラリー所属のアーティストでも自腹のときがあります。
いろんなアーティストが参加する大規模型アートイベントの多くは助成金を得て運営されてます。
残念なのは、助成金がもらえるから何かやろう、といった本末転倒なアートイベントもあります。
そのお金、元をたどれば誰のお金なんでしょうかね。
現実的な話をすると、アートイベントはアーティストには一銭も入らないケースが多く、
製作も自腹、搬入も自腹、どうにか作品が売れても赤字、ということは日常茶飯事です。
アートで食べていける人なんて、本当に一握りなんです。
でも、アーティストのほとんどがアートじゃないと生きていけないんです。
もしアートがなかったら彼らは生きていくことが出来ません。
作品を作ることが生きることであり、それが奪われることは死の宣告に近い。
故にアートは美しく、気高い。
岡本太郎が「芸術は爆発だ」と言っているのは有名ですが、
これは衝撃や拡散性を指しているのではなく、爆発から生まれる宇宙を指しています。
つまりアートが生まれることは一つの宇宙の誕生であり、
アートに出会うことは、一つの宇宙に出会うということ。
一方、現代アートで最近、コミュニティアートやアーティストによるワークショップが多く見られますが、
これらは長い時間をかけて内面に変化を求めるもの、体内にウイルスが侵入するような細胞レベルでの変化が求められます。
爆発と侵入、向かう先は宇宙と細胞、これは大きな差のように想われますが、
宇宙も一つの細胞という見方、細胞は一つの宇宙という見方をすればベクトルは同じ。
爆発と侵入の大きな差は、そこに向かうまでの時間です。
アートと芸術、この言葉にはわずかなズレが見られます。
それはアートが美を直接表わす言葉ではなくなっているからです。
むしろアートは生きること、ヒューマニズムの表象と見たほうが分かりやすいかもしれません。
直接的な美であれば、時間は大して必要ではありません。
しかし、今求められるアートは生き方の変化、体質改善ですから、時間がどうしても求められます。
一目惚れでは分からない価値まで求められる、それは会話などのコミュニケーションでしょう。
今回紹介する「Anguille Japonica2」のテーマは「事件」です。
事件というと時間軸においては点ですが、このアートイベントはあなたに侵入する数々の仕組みが用意されてます。
あなたが見たことのない宇宙がここには待っています、
と言うと、出展アーティストに相当なプレッシャーをかけることになるので、あえて断言しておきます。
僕はアーティストではないので、共犯者として参加します。
仕事も決まらないので、毎日いようかしら。
Anguille Japonica 2
会場: 手打ち蕎麦 naru
2011.4/19 (tue) 〜 5/1(sun)
4/25 (mon) 休館日
11:30〜21:00
最終日は 17:00まで
詳細はこちらhttp://blog.livedoor.jp/anguillejaponica/まで。