浜松アートリンク構想について思うこと

第18回同友会経済サミット
「デジタル・ネットワーク ネットワーク先進都市「浜松」
それはアートリンクから始まる!」

こちらに参加してきました。
浜松アートリンク構想の詳細、提言書についてはこちら

感想をだらだら書くのは面倒なので感じたことを
以下のようなテーマで述べてみたいと思います。

1.創造都市をどう捉えるか(ポストインダストリアル、ポストモダンにおける都市像)
2.建築系の都市デザインと文化経済
3.学術的な研究は、金のにおいがして良いのか?

では、
1.創造都市をどう捉えるか(ポストインダストリアル、ポストモダンにおける都市像)
そこで創造都市の議論が出来ればもっと先に進むのに!と歯がゆい思いをするシンポジウムでした。
結局、創造都市は文化関連の部署がやること、産業とは一線を画すと思われているのでしょうか?

浜松において脱工業都市というのは一番の命題といって良いでしょう。
しかし、その先に繋がる都市像をまだ明確に共有できていない。
今回のシンポジウムはアートリンク構想の提言が中心にありましたが、
これはアートの文脈で語られることではなく、脱工業都市のための文化であり、
産業としてはデジタル産業の育成が中心になります。
しかし、ここにおいても文化は消費されるものという前提が垣間見られ、
産業に結びつく文化は、ものづくりだという従来の考えに陥っていました。
文化は資本となり、産業となり、都市経済の基盤となるという考えに基づく都市モデルは、
今のところだと、創造都市になります。
創造都市の概念が、今回のような経営者やまちづくりの人々に可及的速やかに共有される必要があります。
とりあえず、近々、「サルでも分かる!創造都市教室」をこのブログ上でやります。

2.建築系の都市デザインと文化経済
どうしても建築系の方と話をすると、何か相容れないものを感じます。
ご批判や、ご指摘を是非いただきたいのですが、
建築系の方は、やはりハード優先の都市計画を描くようです。
しかし、こちらサイドとしては、ハード優先の都市政策への反省から、
ソフトを充実させ、コミュニティなどの社会関係資本に重点を置き、
そこに基づくハードを議論すべきと考えます。
ハードが先かソフトが先かという議論は結局相容れないものですし、
これは不毛な議論だと思います。
つまり、両者が必要だということで、とりあえずは良いのかと思います。
都市デザインと文化経済、浜松にはこの両者を持つ静岡文化芸術大学があります。
研究機関としてこの両者が存在する議論が浜松で展開されるのを望みます。
今回のシンポジウムで残念だったのは、文化政策学部の先生がいらっしゃらなかったことです。

3.学術的な研究は、金のにおいがして良いのか?
これの正解は明確で、研究機関に金のにおいがしてはいけません。
そのためにダメになった事例は山ほどあります。
研究機関に直接的な利益を求める行為や、アドバイスを求めることは本末転倒なことです。
経営者や行政担当者は大学に、どうすれば儲けられるのかを問うことがありますが、
それは現場の側が考えることで、研究機関として出来ることは事例研究の提示ぐらいなものです。
つまり、現場の人間が思考することがまず必要になります。

今回のシンポジウムで面白かったのは、
創造的界隈に新産業創出のコミュニティスペースを作るという提案や、
バイクミュージアムがバイカーが集まる場として、シャワー施設やガレージを作るというものがあったことです。
そのためのハード整備、アートリンク構想の図面として考えれば、
あとはそれを商売として考えられる人材がどれだけ出てくるか、ということです。
大学には人材育成という役割があります。
彼らが活躍する場をどう用意するか、現場と研究機関の議論が必要です。

何が言いたいかというと、どう大学を使うかではなく、どう組むかが重要ということです。


全体の感想としましては、参加してよかったと思える会でした。
浜松はこれから確実に面白い方向に行くでしょう。
問題意識とビジョンを参加者の中で共有できた良い機会だったと感じております。
ただし、プロットだけで具体的なスケジュールや、今後の方向性が見えなかったのが残念です。
浜松は議論だけは立派で結局何も生まれなかったということが非常に多い場所です。

今は伝説として語られるやらまいか精神ではなく、血を流し自ら犠牲になるやらまいか精神が必要です。


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